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2006年 02月 17日
Furled Leader Ⅲ
Furled Leader 2で,「詳しい作り方は省略します」なんて書いたわりには結局詳しく書いてしまったので,ついでにボードと糸のかけ方も説明しちゃいます。
Furled Leader Ⅲ_d0016761_185404.gif
ボードはこんな感じです。板の横幅は適当でいいです(10~30cmくらい)。板に穴をあけて棒を立てます(A~G)。棒は接着剤などで固定しない方が,後々テーパーデザインを変える時に都合がよいでしょう。この設計図は参考HP①③④と同じで,7ftの標準仕様です。糸はuni-threadの6/0を想定しています。

<糸掛け作業>
Furled Leader Ⅲ_d0016761_186096.gif
(1)糸の端にダブルエイトノットなどで輪を作り,Aにかけます。
(2)A-B間を反時計回りに5回転糸をまわします。(図中の青い糸。図では3回転しか描いていません。実際は5回転半になる)
(3)AからBの外側を通ってCまで行き,Cで折り返してB-C間を2回転させます(ピンクの糸。実際は2回転半になる)。Bで折り返す時,A-B間でできた輪の中を通すようにします。こうすることで鎖状につながります。
(4)同様にC-D間を1回転させます(緑の糸,実際は1回転半)。これで片道が終了です。
(5)糸を切らずに反対側も同様にD-E間(1回転),E-F間(2回転),F-G間(5回転)と糸をまわしたら,Gの棒に糸を結び付けます。これで糸かけ完了です。

このあとは,Furled Leader 2と重複しますが

<糸縒り作業>
(6)Aにかかっている輪をドリルに取り付けたヒートンに掛けて,糸をあまりゆるめないようにしながらA→B→Cの棒を抜き取ります。この時糸が1本だけたるんでいたら,しごいたりして適当に修正します。
(7)ドリルを回転させて,糸を縒ります。糸がたるまないよう注意し,かつ糸が切れない程度に一定のテンションをかけながら,200cm(全長の90%程度)まで糸が縮むまで縒っていきます。
(8)糸が縒れたら,ドリルの先のヒートンから糸をはずし(ここで絶対たるませないよう注意!)画鋲などで板に固定します。
(9)反対側も,同じ長さになるまで縒ります。必ず同じ回転方向で縒ってください。こちらも同様に画鋲で板に固定します。

<縒り戻し作業>
(10)ここで板を垂直に立てかけ,Dの棒にかかっている糸の輪にオモリをかけて棒を抜き,板をオーバーハングさせると,,,勝手にくるくるとオモリが回転して2本の糸が1本に縒り合わされていきます。2つの画鋲を近づけて最後まで縒り合わされ,オモリが回転しなくなったら終了です。
(10')僕の場合,最初からDの棒の代わりにオモリに取り付けたスナップ付ヨリモドシに糸をかけておきます(Furled Leader Ⅱの写真参照)。板を垂直に立てかけることはせず(一枚板でないのでできない),(9)まで終わったらヨリモドシを留めているピンを抜き,オモリを持って軽く引っ張ってから,ゆっくりとテンションを緩めていきます。するとヨリモドシがくるくると回転して,2本の糸が縒りあわされていきます。最後は(10)と同様にオモリをぶらさげてます。

<末端の処理>
(11)バット側もティップ側もループを作ります。先端を折り返してループを作り同じ糸で巻きとめ接着剤で固定してもいいですし,ダブルエイトノットでループを作ってもいいでしょう。僕の場合は糸で巻きとめています。うまくやると編み込みでループが作れそうですが,その技術は僕にはありません。
(12)ちなみにフライラインとはループtoループで接続。ティペットとは「エクステンダーティペット」というのをかましてから,ティペットをつなぐことをここでは推奨しています。

ただ,上記の寸法で作ると,7ft(210cm)のつもりで作ったのに全長は6ftちょっと(190cm)しかありませんでした。考えてみると,最初は長さが220cmありますが,それを200cmになるまで縒るのでこの時点で7ftないのに,両端を折り返してループを作ったので短くなってしまうのも当然でした。バット側とティップ側ともプラス10cm長くして作ったら,ちょうど7ft(210cm)になりました。この程度のテーパーデザインの違いが,実際ターンオーバー性能にどの程度影響があるかは,実際にキャストしてみないことにはわかりませんが,たいして変わらないんじゃないかな?

同じ糸の素材でも,棒を立てる位置やかける糸の本数を変えることで自由にテーパーデザインできます。今回は5-2-1回転でやりましたが,小さめのドライフライだったら3-2-1回転のスローテーパーでもよさそうです。また,ボードを長くすればもっと長いリーダーも作ることが可能です。さらに,糸の素材を変えると性質の違ったリーダーができるので,いろいろと遊べそうです。

僕自身ためしに,絹糸(ミシン糸 #50),ナイロンのニット用ミシン糸(#50,伸縮性がすごくある)やナイロンモノフィラメント((ミシン糸 #60)で作ってみました。50番の糸は太いので,5回転ではバット部が太すぎるリーダーができてしまいました。3-2-1回転で良さそうです。ナイロンモノフィラは伸縮性がすごくありますが,若干固い感じです。絹はしなやかですし,ナイロンのニット用ミシン糸はめちゃくちゃ伸びます。ただ柔らかすぎて実用に耐えるかどうかは疑問です。

いろいろ作ってはみましたが,まだ実際に渓流で使ったこともないし,キャストすらしていないので,どれだけいいのか?または悪いのか?はまだわかりません。
使い心地のレポは,渓流解禁を待ってください。

by trout_and_stream | 2006-02-17 18:20 | FWFFあれこれ


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